校門へと向かいながら、私は激しい疑問と不満に襲われた。
「あり得ない……あり得なさすぎるわ!」
だってそうですよね。私の昨日の修羅場。アレ完全無視されてますもん。
アレ不審者ですよね。城ヶ崎より明らかに不審者ですよね。
「若葉くん! 石井くんは、城ヶ崎のほかに捕まった人がいるなんて言ってなかったよね!」
「うん。彼以外の話は出てこなかった」
「だったら、こうしちゃおれないわ!」
なぜって。それは。
先生方、平和ぶっこいてますけどまだ不審者がこの街徘徊してまっせコラァッ! っていうこと!
だって同一犯の仕業なんでしょ?
もしあの人が真犯人だったなら、城ヶ崎は、無実の罪を着せられてるってことになる!
「セラ? 何だ、どうした?」
幸か不幸か、郁人くんが私の迎えに現れる。
「……ちょうどいいところに!
あのね郁人くん、今から話すことは超衝撃的で意識フッ飛んじゃうかもしれないけど、打開策もあるかもしれないから踏ん張って聞いて!」
「……え?」
きょとんとした郁人に、マシンガンの如くまくし立て始める私だった。