「立ってただけなんでしょ? 実際にやったわけじゃないんでしょ!?」


「け……警察も最初はそう聞いたけど、黙秘してるって! 何も言えないのは、やましいことがあるからだってみんな言ってるんだ!」


「そんな、ひどいわ!」


「……もし違ったとしても、アイツの出歩いてた時間が時間だったから、どちみち見過ごせない。

 事実確認をするまでは、適当な処置……停学措置を取るから、お前らも知っておけって、さっきホームルームで言われたんだ……」



 呆然とする私の脇を、石井くんは俯いて通り抜けようとする。