それから、どのくらい経っただろうか。
夕食と入浴を済ませ、都さんと話しているうちに、セラは眠ってしまったようだ。
ソファの背にもたれて、すーすーと寝息を立てている。
だがその寝顔は、安らかと言うには少しやつれていて……。
「自覚はないみたいだけど、精神的にかなりダメージを受けていたのね。かわいそうに。……よいしょ、っと」
都さんがセラを横たわらせようとしたので、すかさず手を貸す。
「俺がやります。ここじゃ風邪を引くし、部屋で寝かせたほうがいいでしょ」
「あらそう? 頼りになるわねー」
「……一応、男ですからね」
子供の頃、兄に「チビ」だの「女顔」だの言われ……その名残がいまだに改善されていないとしても、俺だって、女の子1人抱える力ぐらいある。