「あの……」



 恐る恐る声をかけてみると、女性――都さんは初めて気がついたように俺を振り返った。



「あら? ごめんなさい、私ったらつい暴走しちゃって。あなたが郁人くん?」


「ええ、まあ」


「今日は頼りにしてるわね。さあ、お夕飯にしましょうか。セラちゃん、キッチン借りるわね」


「あ……はい」



 勢いに圧されてセラが頷く。


 それを確認したときの満面の笑みといったら、アイツとそっくりだなぁなんてことを考える。



「美味しいものを食べて、元気出してね!」