「ちょっとそこの人スト――――ップ!」


「はい? 何か……うわぁっ、紅林!?」



 慌てふためきよろめいた男子生徒の胸倉を、とっさに掴んで引き戻す。



「わー! 俺何もしてませんけど何かごめんなさい!」


「あなた、城ヶ崎のところにプリントを届けに行くの?」


「ホントすみませんこんなところで死にたくない…………ってあれ?」



 あー! ここは色々と説明しなきゃいけないんだろうけど、あえてスッ飛ばして!



「ねぇ、もしよかったら、私に行かせてくれない?」


「へ?」



 ――いいことを思いつきました。