――僕と太陽だけが知っている秘め事。



 季夏の日差しの下、誰よりも愛おしい少女の額に、精一杯の理性をぶち込んで唇を添えた。


 寝込みの少女の唇を奪うなど邪道な真似はするものか。



 そんなことはしなくたっていい。


 待てば望みはあるのだ。



 だから待つ。


 そのときはきっと、今よりもっと互いが愛おしくなるはずなのだから。



「……瀬良」



 伝えよう。


 彼女の、その心に。



「何があっても、守ってみせるから」



 僕の言葉に応えるかのように、彼女がもう一度身じろいで、微笑んだ。