遂に耐えきれなくなり、壁を背に座るようにして眠る彼女に覆いかぶさった。
行儀よく膝の上で重ねられたちいさな手に自分のそれも重ねて……。
影がひとつになる。
周りには太陽以外ない。
彼女が一度身じろいだ。
しかし目を覚ます様子はない。
このまま終わってしまうのが惜しくて、もう一度だけ、と再度目をつむる。
ふわり、と甘い香り。
柔らかな髪が僕の顔の横をさらりと滑り落ちる。
彼女の体温を、触れた唇から感じた。
熱い。この感覚が愛おしい。
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