真昼の風が、建物の陰にいる僕らを心地よく撫でる。 とりあえず昼食を促し、それも終えてしばらく後。 よっぽど疲れていたのか、彼女はあっという間に寝入ってしまった。 肩には適度な重みがかかり、安らかな寝息が耳元で聞こえる。 僕の隣を安らげる場所だと思ってくれたことが、嬉しかった。 「こんなに無防備な顔をして眠るなんて。……満月の夜だったら、危険だったな」 彼女の頬を撫でる。 撫でるほどに、愛しい気持ちが溢れ出す。