「……なさい……ごめんなさい……」



 視界が潤む。

 唇を噛んで涙をこらえる。

 それでもせき止めきれなかった雫が、頬を伝う。



「言えなくて、ごめんなさい……!」



 若葉くんのことを避けているんじゃない。

 嫌っているわけがない。


 ただ夜空に煌く彼も、青空に輝く彼も、私にはまぶしすぎて……だから……だから!



「……頼り下手なので、許してください……」



 必死に考えても、出てくるのはこんなヘンテコな言葉だけ。



「わかってる。だから俺が助けに行くから」



 ヘンテコな言葉でもちゃんと聞いてくれる。

 ……抱き締めてくれる。


 そんな彼の温かい腕に包まれて嬉しいと思える。


 だから、今の気持ちの十分の一のへたっぴな言葉でも、受け取ってほしいと思う。