「若葉くん……!」



 必死に身をよじって抜け出そうとするけど、返って痛いくらいに抱き締められるだけ。


 顔が熱いなんてレベルじゃない。

 火山が噴火したみたいだ。



「君がわかってくれないのなら、俺も君の言うことは聞かない。触れられたくなくても、俺は君に触れる」


「わ、若葉くん!」


「君が彼らのために痛みを負うことを拒まないなら、俺も一緒に負う。

 だから無茶はするな。助けを求めることをためらうな。せっかく俺がいるのに、独りで頑張ろうとするな!

 賢聖さんだって、君に独りで頑張れと言ったわけじゃないだろう!」



 怖いというより、彼の気遣いに胸が痛くてたまらなくなる。