振り向けば、険しく細められた視線とぶつかる。
「あ! 城ヶ崎お前な、俺たち差し置いて抜け駆けしようとしやがって……」
「朝桐、空気読め」
「え? あっ、お前らまた口……モガッ!」
例のごとく口を塞がれた朝桐くんが、和久井くんと日野くんに連れ去られた。
後に残されたのは私と城ヶ崎。
「何を嗅ぎ回っている?」
「何だっていいじゃない。それより、お父さんについて行くのを嫌がっていたって本当?」
「答えを聞いてどうする」
「理由を聞くわ」
「お前には関係のないことだと言ったはずだ」
立ち去ろうとする城ヶ崎の前に、回り込む。