「……いるのはいるんですけれど、先日フラれまして」



 ハナ以下2人があちゃーと口を開けた。

 ……自分でも心がとても痛い。



「……私も悪かったんですけどね。少しでも話す時間を取っていればと、今は後悔のみです」


「それはそれはお気の毒に……でも、先生ならあり得るわ。ボーッとしてる間にねぇ」



 悪気はないのだろうが、フデのふとした一言に胸がチクリ。

 慰め役はミエだ。



「気にすることないわよ、先生。また次がありますよ」


「いいえ。私には彼女しか考えられないんです。……女々しいですよね。すみません」



 肩を落とすと、さすがに本気で不憫と思ってくれたのか、3人が励ましの言葉をくれようとした。

 が、八神は笑って返す。



「ご心配なさらず。最近は特に忙しいですし、往診以外は出歩く暇もありませんので。私は今でも充実していますよ」