「はは……。大丈夫ですよ。私だって好きな人くらいいます」


「本当かしら。じゃあ念のため聞きますけど、看護師の水野さん?」


「違います」


「事務の片瀬さん?」


「違います。……というか、若い子ばかりじゃないですか」


「あら、熟女がお好みなんですか?」


「いえ、そういうわけでもないんですけど……」


「じゃあ誰なんです?」


「ハナさん、こういうときは強いですね……」



 彼女たちと話すと元気が出るが、時にそれが苦笑にすり替わったりする。


 女性はか弱いようで、賢く、強い。

 八神は降参の旗をあげることにした。