「ねぇ先生、あの子は帰ったんですか?」
「あの子、というと?」
「若い女の子ですよ。えらく明るい色の髪の」
「……ああ、セラさんですか。はい、少し話をしてさっき帰られました。セラさんがどうかしましたか?」
問うと、質問をしてきたミエに代わり、天真爛漫なフデが続ける。
「あの子、昨日入院した男の子のお見舞いに来たんですよねぇ。目立つから覚えてるんですよ」
「そう。あの子、セラちゃんていうの。にこにこ挨拶してくれるから、アタシたちもつられてねぇ」
ハナの言葉に、3人は顔を見合わせて笑った。
八神はホッと頷く。