「……まぁ何にせよ、お前がいないと今度の中間考査の士気にも関わる。できるだけ早く復帰してくれることを願ってるよ、霧島。それじゃ」



 手を振って出て行く堀川を、じっと見据える。



 戻らなければいけない。そうは思う。

 けれど、すぐ実行に移すことのできないむなしさが込み上げる。


 すべてを片付けてからでないと戻れない。

 そうしないとアイツに迷惑がかかる。


 ……こんなときに、情けないと思う。

 後にも先にも、それしか考えられないのだから。