「最近休みがちだったろう。先生に確認を取ってもらったら、風邪だって聞いたから。

 ……こんなときに何だけどさ、学年首位の霧島がいないと、闘争心が削がれるんだよな。日々の授業レベルも気持ち下がってきてる」


「大げさだろ」


「またまた。秀才くんは言ってくれますね」


「……俺は秀才なんかじゃない」



 堀川には悪いが、それはお世辞にしか聞こえない。

 自分の頭の出来はもともと飛び出てなんかいない。


 努力に努力を重ねてもまだ足りないと思っているくらいだ。

 それを過剰評価されるのはプライドが許さない。