セラが行って10分、20分……いや。
もしかしたら、5分と経っていなかったかもしれない。
暗い布団の中でじっと息をこらす。
いけない。奇病にかかったようだ。
しかも今回はどうも免疫がないらしい。
熱い。湯でも沸かせそうなくらい、とにかく顔が熱い。
たぶんウイルスを持ってきたであろう能天気バカの顔を思い浮かべると、無性に腹が立った。
きっと優しくされて脳が誤認しているんだ。
こんなことで挙動不審になるなんてバカらしい。
なんだ? この病気は。意味がわからない。
……いや、違う。
知っている。これが何なのか。