「こんばんはー!」



 病室に入ると、ベッドの上で読書をしていたらしい郁人くんが顔を上げた。



「セラ。学校帰りか?」


「うん。調子はどう?」


「昨日よりはいい。……ずいぶんと迷惑かけたみたいだな」


「いいよいいよ。それよりも早く元気になってね!」


「……ああ」



 薄く笑った後、郁人くんがじっと見つめてくる。



「なぁ、聞いてもいいか?」


「私で答えられることなら何でもどうぞ!」


「何かあった?」


「なんで!」


「いや……やけに元気だから」


「おかしいね。元気なら心配ないでしょ!」


「アンタの場合は普通とズレてるから、やけに元気なのがおかしいんだよ」