「きっとそうです。郁人くんは隼斗くんに似て不器用ですけれど、正義感の強い、心根の優しい子ですから。

 今日はありがとうございました。明日も学校があるんでしょう? 私がついていますから、安心してお帰りなさい」



 包み込むような優しい声音に、私はひどく安心感を覚えた。


 ベッドに横になっている郁人くんを見やる。

 先ほどよりずいぶんと落ち着いたようだ。



「よろしくお願いします。八神さん」



 深々と頭を下げて、私は若葉くんと一緒に八神医院を後にした。