「そんなに気になるの?」


「もちろん!」



 困ったように首の後ろを撫でる若葉くん。

 視線は俯き気味、ちょっと赤くなりながら切り出す。



「……僕の名前はさ、歴史上の人物から来てるんだよ」


「あ、私もちょっと気になってたんだよね。もしかして、新撰組の沖田総司?」


「……うん。『壬生狼』も元々は新撰組の古称をもじったものなんだ。『壬生の街を徘徊する狼』って意味合いの、あまり褒められた言葉ではないけど」


「そうなんだ……。でも私はステキだと思うけどな。若葉くんの名前」