……いつまで経っても雨が落ちてこない。


 不思議に思い振り仰げば、よく晴れた夜空があった。

 ねずみ色の空が広がっていたのは、自分の心の中だけだったのだ。



「んだとガキがぁ、もっぺん言ってみろ!」



 活気づいた街で、人目を引いていることくらいわかっていた。

 コイツみたいに目障りなネオンに毒された連中に構われるのは、ウザくて仕方がない。

 だから軽くあしらってやったのだが、単細胞にはよろしくない手法だったようだ。



「だから、道のド真ん中で騒がれると迷惑なんです。そんなこともわからないんですか。一体何年人間やってんです?」


「クソガキっ!!」



 強引に肩を掴まれた。