「橋本先輩かっこいい...」

「もうこれで三回目だよ、理沙。」

発表会場に着いて出番まで他の学校の演奏を聞いていると理沙が三回目のかっこいいを言ってきた。

「だって...さっきのはやはいでしょ...かっこいい...」

「橋本先輩は誰にでも優しいんだよ。」ついイラッとして強く言ってしまった。

「そんな言い方しなくてもいいじゃん。」ムッとする理沙。

「あ、ご、ごめん。」理沙にムカついても仕方ないのに...私って...

すると「ごめんごめん。私もしつこかったよね。」と理沙に謝られた。

理沙は悪くないのに...ごめんね...

「理沙、橋本先輩の事好きになっちゃった??」

「え、そんなことないよ。やっぱかっこいいけどでも好きとかじゃないよ。ってえ、ちょっ」

ぽろっ

「え、あ、うっひっく」

急に泣き出してしまった。理沙はびっくりしていて横から「大丈夫??」とか「どうしたの??」とか心配してくれている。

「あのね...私橋本先輩の事好きみたい。橋本先輩に優しくしてもらった理沙にヤキモチ妬いたの。ごめんね...ごめんね。


ひっくひっくとうまく息ができず理沙が気を利かせてくれて「トイレ行こっか。」と声をかけてくれた。