一旦家に帰ると、フーちゃんからメールが。

『浴衣着る?』

浴衣か…

そういえば前に着たのはいつだっけ?

せっかくのお祭りだし…

『着ようかな!』

そう返すと私はリビングにかけこんだ。

「お母さん!浴衣ある?」

「浴衣?あるけど、着るの?」

「うん!」

するとお母さんはニヤニヤと笑った。

「はりきっちゃって。大和君とでも行くの?」

えっ!?

なんでわかったの?

「大和とだけじゃないもん!」

そうだよ!みんなと行くから楽しいんだよ!


「遅い、5分遅刻。」

夕方六時。

私は大和と家の前で待ち合わせ。

塀によっかかっていた大和が携帯を見ながら言った。

「ごめんね、髪の毛に時間がかかっちゃって…」

いつもはただ手ぐじで整える程度の方までのボブだから、たまにアレンジしようとするとものすごく難しいんだ。

「…!」

大和は私を見るとなぜか目を見開いて、止まったまま。