大和は唇の端を上げて、笑うと私の手首を掴んだまま、その手の甲に唇を落とした。

その熱が手から全身に伝わって、体中が熱くなって。

「顔赤い。」

そして近づく、大和の顔。

…だめだ!

「なにしてんの?」

「おっ、お祭り!」

とっさに大和の顔を寸止めで手で止めた。

「は?」

怪訝そうに眉をひそめる。

「今日ね、神社で夏祭りがあるんだって!みんなで行こうよ!」

今の状況で大和と二人きりとか、無理!

「みんなって?」

「私はミラちゃんたち誘うから、大和は一ノ瀬君たち誘ってよ!きっとみんなで行けば楽しいよ!」

お願い!と懇願するように大和の顔を見つめる。

すると大きくため息をついた。

「…わかった。だからその顔やめろ。」

その顔?

でも何はともあれ、良かったのかな。

みんなで久しぶりに集まれる!

私はさっそくミラちゃんたちに連絡。

するとみんな行く!という返事が返ってきた。