「桜子、どうしたの?ボーッとしちゃって。」

はっ!

目の前には湯気を立てる、美味しそうなオムライス。

基本和食の我が家では珍しく洋食な今日。

「お姉ちゃん、大丈夫?」

小学三年生の妹、ことちゃんこと琴子まてもが私を心配した目で見てる。

「うん!平気!」

だけど頭の中から大和が言った言葉が離れなくて。

わたしと大和は、付き合う。

だけど別にお互い好きだから付き合うとかじゃなくて、私に大和が恋愛を教えるために、お付き合いするってこと。

そんなのってありなの!?

「そういえば、ちゃんと大和君にお礼言った?桜子のこと心配して探しに行ってくれたんだからね。」

え?

そうなの?

でも確か、大和はお母さんに言われたから探しに来たって言ってたのに。

「大和君、優しいしかっこいいからきっと学校でもモテるでしょうね。」

お母さん!?

わたしがあの大和にどれだけいじめられてきたことか!