だから大和は剣道部には入っていないけど、今でも週に3日くらいは道場で稽古している。

「何もないよ、別に。だいいちみー君は私のこと、妹くらいにしか思ってないんだから。」

幼なじみのお兄ちゃんとしか見られてないって思ってるに決まってるもん。

「それと、みんなに私達が付き合ってるってことを言ってたら、私、いつまでたっても好きな人できないよ?」

何気なくぶつけてみた疑問。

なのに大和はその言葉を聞くと、なんだかとても苦しそうな顔をして。

「大和?どうしたの?」

「…できなくていい。」

へ?

なに?

聞こえなかった。

「何でもねえよ。」

そう言うと部屋から出て行ってしまった。

なんなんだ、大和ってわかんないな。

それより、今日みー君に教わったところ、もう一回復習しとこう。

忘れないうちにやっとくのが肝心だって、みー君、言ってたからね。

やる気を入れて、机に向かった。