「なんで?さくってかわいいなって思ったから、いいじゃん。」

な、と私を見てくるみー君。

「えっと、一番苦手なのは三角関数かな。」

「なるほど、そこは理解すれば早いよ。」

みー君はさすが教育学部なだけあって教え方がうまい!

もしかしたらうちの学校の先生よりもうまいんじゃないかって思うくらい。

おかげで数学が苦手で苦痛だった私にも、三角関数がなんとか理解できるレベルまでに。

「わかった!ここは三分のπ!」

「そうそう、正解!」

ニコッと笑うみー君。

優しくて、かっこいい。

「おい、瑞希!お前彼女とかいないの?」

大和が勉強とは全く関係のない話をしてくる。

ほんとこの人、何しに来てんだろ。

「今はいないよ。」

へえ、彼女、いないんだ。

こんなにかっこよくて優しいのに。

昔からみー君、モテてたもんね。

「さくと大和は付き合ってどれくらいなの?」