「…ちっ…おい、瑞希!さくは俺と付き合ってるんだ。そこんとこ、よく覚えておけよ。」

また偉そうに…

付き合ってるって言っても、本当に好きで付き合ってるわけじゃないし、契約の関係なのに。

「はいはい、大和もわかんないとこあったらいつでも来なよ。」

「行かねえよ!」

さすが、あの大和を軽くあしらうあたりがみーくんはやっぱり歳上なんだなって実感する。

「じゃあ、桜子、夏休み入ったら頑張ろうな!俺、8月の半ばまではこっちにいるつもりだから。」

よーし、鈴原桜子、勉強頑張ります!


「で、桜子はどこが苦手なの?」

夏休みに入り、一日目。

さっそく私の部屋でみーくんに数学を教わってるのはいいんだけど…

「さくは全部苦手なんだよ。」

なぜ大和が!?

私のベッドに寝っ転がって!

「そうなの?さく?」

「おい!さくって呼ぶな!」

そう言うとガバッとベッドから起き上がる大和。