またあらぬことを企んでるんじゃないでしょうね…

「みー君!お母さんから聞いたよ!」

部屋に入っていくと、大和とみー君がいた。

あら?

何この重たい空気…

なんだか二人の間にもやもやがあるような…

「そっか、俺、大学で教育学部だからちょうどこの秋から教育実習なんだ。だから桜子に教えれるの、すごい勉強になるよ。」

へえ、みー君って先生になるの?

みー君みたいにかっこよくて優しい先生ならきっとモテモテだろうな。

「さく、数学なら俺が教えてやるよ。」

だから、なんでよ?

「ヤダ、私、みー君がいいもん。」

だってどうせ大和に教わったってバカだのアホだの、言われるだけなのが目に見えてる。

前に一度一緒に勉強した時だって

「こんなのもわかんないのか!」

とか、

「お前ってほんとバカだな!」

とかさんざん言われた気がするんだもん。

その点、みー君は優しいし、穏やかそうだ。