優しい、やさしい、ヤサシイ…

優しくない?

だってわがままだし、強引で自分勝手。

私が何でも言うこと聞くと思って、上から目線。

それでも…

私はそっと、首にかかる桜の花びらにふれた。

自分が寒いのを我慢して、私にパーカーを貸してくれた大和。

ちょっとだけ優しいのかもしれない。

「ふふ、さくったらラブラブみたいね!うらやましい!」

夕姫ちゃんが笑った。

私達が本当に付き合ってないことを知ったら、みんなはどんな反応をするのかな。

私が大和に恋愛を教えてもらってるなんてこと知ったら、どう思うだろう。

こんな関係、いつまでも続けるわけにはいかないのに。

私に好きな人ができたら終わりだって言ってた。

でも好きな人なんてできない。

だって今は悔しいけど、絶対に恋じゃないし、好きでもないけど。

大和にキスされたら、大和に触れられたら、ドキドキするんだもん。