「だから、そんなに見るなって。」

大和は私の質問に答えてくれない。

大和の好きな人、聞きたいのに。

「好きな人、いないの?」

いないから、私とこんな契約結んだの?

そうじゃなきゃ、その人に失礼だ。

「…気になるの?俺の好きな人。」

大和が一歩、私に近づく。

「き、気になるよ!だってもし大和に好きな人がいるなら、私なんかに協力してくれて悪いじゃん!」

するとさらに大和は顔を近づけてきて。

「秘密。」

そう耳元でささやくように言うと、大和は私の耳にチュッとキスをした。

はじめての感触に、背中がぞくぞくする。

「やっ…!」

「へえ、さくって耳弱いんだ…」

そう言うと大和は私の耳を手で触る。

「ひゃあっ…くすぐった…い!」

「耳もちっちゃいな、お前。」

また体から力が抜けてっちゃう。

また、大和に余裕もたせちゃう。

「ねえ、耳たぶ柔らかい人ってエロいんだって。さくの耳たぶ、すっげえ柔らかい。」