なのにどんどん可愛くなって、人気になっていくさく。

男子の間でも小さくて可愛い、って人気だった。

さくが可愛いことなんて、俺が一番知ってるのに。

さくに告白しようとしてる奴がいるって知った時にはたまらなく焦った。

そんなさくが小学六年のとき、中学受験をすることを知った。

さくと離れるなんて絶対に嫌だ。

そう思っていたけど、その受験する学校が中学から大学まである地元ではお嬢様学校と有名なすみれが丘女学院だと知った時、俺はあることを思いついた。

女子校なら安心なんじゃないか。

大学まで女子校なら、さくは彼氏なんてきっと作らないだろう。

だからその間に、俺が告白して、俺の彼女にするんだ。

そう思っていたのに、ある日のさくの発言で俺の目論見は消え去ることになる。

「私ね、彼氏ができたんだ!」

そう言ってかわいく笑うさく。

その笑顔がもう俺の知らない誰かのものだなんて、信じたくなかった。