「大和君、美希が拾ってあげる!」

待ってましたと言わんばかりに手を伸ばすその前に、俺はさくの目を見た。

「さく、拾って。」

そう言うと、さくは悔しそうに俺を見ながら席を立ち上がる。

「…はい。」


俺は自分で言うのも何だけど、一途だ。

今まで何人もの女に告白された。

学年一の美少女と有名なやつ、読者モデルをしているやつ、高嶺の花の先輩。

だけどどいつも興味ない。

だって俺が好きなのはさくだけだから。

さくしかいらない。

さくが欲しい。

ずっとそう思ってた。

なのにさくはいっこうに俺の思いには気が付かない。

それは当たり前だと思う。

だって俺はさくに意地悪ばかりした。

好きだからいじめたくなるってやつ?

さくが他の男と楽しそうに話してるとものすごくむかついた。

さくが好きなやつに渡そうとしていたチョコレートを勝手にランドセルから奪って食べた。