「…好き…」

初めて口にした、その言葉。

それが大和だなんて、一生の不覚。

それなのに、どうしてこんなにドキドキするの。

告白するのってこんなに緊張するものなんだ。

「誰が、好きなの?」

大和は私の頬に触れながら言ってくる。

くすぐったくて、触れられた部分が熱い。

「や、大和が…す、好き…」

蚊の鳴くような、自分でも聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声でつぶやいた。

「もっと言って。もう一回。」

「大和が、好き…っ…」

恥ずかしくて顔を下にむける。

それでもわかる。

大和はきっと、私を見てる。

顔をあげたらきっと、もう、…

「さーく、こっち向いて?」

絶対に無理なのに、大和には、逆らえない。

恐る恐る顔を上げると、そこには予想外の表情の大和。

頬が少し赤くて、その大きな目に吸い込まれちゃいそう。

「俺も、さくが好き。」

わかってる、これは練習。