「今日、里佳ちゃんも陸斗君もいないんだって。だから大和君とかいちゃん、家でご飯食べるって朝言ったでしょ?」

言って、た?

聞いてない!

「すみれさん、これ、ここでいい?」

「ありがとう、大和君もかいちゃんも手伝ってもらっちゃって…ほら、桜子も琴子もお味噌汁とご飯、よそうの、手伝いなさい。」

お母さんまで大和に騙されてる!

「ねえねえ、大和君、ご飯のあと算数教えて!」

「うん、いいよ。」

ことちゃんまで!

「かいちゃーん…」

私は訳もなく年下の、しかもまだ小学生のかいちゃんに助けを求める。

「さくちゃん、口にご飯ついてる。」

…不覚。


「で、ここは通分、分母を一緒にするんだ。すると…」

「あっ!約分できる!」

夕飯のあと、リビングで大和はことちゃんの算数、そして何故か私はかいちゃんに英語を教わっている。

「だから、ここは接続詞でしょ?」

「うーん、難しいな…なんでかいちゃん、高校の英語ができるの?」