女子校の正門に男子が一人。

目立って仕方ない。

さっきからすげえ視線感じるんだけど。

そして見慣れた不審な動きしてるやつを発見。

俺を見ると慌てたように謝るさく。

でもさ、俺がほしいのはそんなんじゃないよ?

さくの困った顔見たら、もっともっとなんかこう、困らせたくなるっていうか。

…やっぱ俺ってSなのかも。

「大和のバカ…!あんなところで…もし誰かに見られてたら…」

帰り道、そんなふうに頬をふくらませるさくを見ると余計に苛めたくなる。

「じゃあ家に帰ってから続きしよっか?」

「しません!」

「ふーん、じゃあさくはもう一生俺とキス、しないの?」

するとさくは悔しそうにした唇を噛んだ。

「そ、それは…」

「俺はいいよ、別に。その代わり、他の誰かとしちゃうかもね。」

さくがどんな反応をするかわかってるから。

「っ…やだ!」

ほら、やっぱりそういう顔するんだ。