そして塀の死角になっているところに連れて行かれる。

レンガの壁につたわる蔦の葉。

そんな神聖なこの聖堂の裏門で大和はわたしを抱きしめた。

心拍数がどんどん上がっていく。

こんなところで、誰かに見られちゃったらどうしよう…

「や、大和?離して!」

「やーだ、離さない。」

そしてその手が頬を撫でると、私の体はビクリと反応する。

「俺を待たせたお仕置き。」

そう耳元でささやくとあっという間に唇を塞がれて。

「…んっ!」

何回したってなれないキス。

頭がおかしくなりそう。

「…はっ…好きだよ、桜子。」

ズルいよ…

いつもはアダ名呼びだから、たまにこうしてフルネームで呼ばれるとさらにドキドキが上がっちゃう。

「さくは?」

そして意地悪な笑顔で言うの。

「…き…」

「聞こえない。」

神様、私の彼氏は悪魔です。

「…好きっ!」