「ごめん!わたし、帰るね!」

「はいはーい、仲良くねー!」


ついついお話に花が咲いちゃって、頭から抜けてたよ…

絶対怒ってるだろうな…

恐る恐る背後から様子をうかがう。

「ねえねえ、あの人、めちゃくちゃかっこ良くない!?」

「ほんとだ!誰かの彼氏かな?」

下校中のすみれが丘の生徒たちの注目の的の大和。

なんだかものすごく出て行きにくいんですけど…

「不審な動きしてるやつ、見っけ。」

いつのまにか私の目の前に歩いてきた大和。

「やっぱり彼女いたのかー!なーんだ。」

「そりゃあんだけかっこいいんだもん。」

周りからは落胆の声。

ごめんなさい、こんな私で…

「今日迎えに来るって言ったよな?」

にこやかなんだけど何故か背筋がゾゾッとする大和の笑顔。

「ご、ごめんね?あっ、飲み物!おごるから!許して?」

近くにあった自販機に駆け寄ろうとして、だけど大和がその腕を掴んでた。