「ううん、かわいいよ!」

かあっと頬が熱くなる。

きっと私の顔は真っ赤だ。

それに気がついたのか、有川君も顔を赤くして、口元を抑えた。

「ご、ごめん…俺、何言ってんだろ…」

話すようになってから気がついた有川君の癖。

照れたとき、恥ずかしがるときは口元を手で押さえる。

あれから有川君のこと、たくさん知った。

「そういえば!明日から三連休だね!」

二人の間に流れる変な空気を追い払うように私は言った。

「鈴原さんはどこか行くの?」

「うん、明日夕姫ちゃんたちと買い物に行くの!」

久しぶりに四人で遊ぶから、すごく楽しみ!

「そっか、…あのさ、なら日曜日はなにか予定ある?」

日曜日…

「ううん、特に何もないよ。」

家でゴロゴロしようかなって思ってた。

「じゃあ、俺と出かけませんか?」

「へっ!?」

びっくりして変な声を出しちゃった。

隣の人が変なものでも見るような目でこちらをチラチラ見てきた。