部屋を出て、頭がだんだん冷静になってくるうちに自分がしてしまったことの大きさに後悔してる。

なんで、俺、あんなこと…

俺が泣かせた。

絶対恐がらせた。

だってあいつの体、震えてた。

振られたからってこんなことするなんて、どこまでも最低最悪の男だ。

文化祭の日に突然告げられたさくからの別れの言葉。

好きな奴ができたと言っていたさく。

最初からさくに好きな奴ができたら終わりにしよう、そういう関係だったはずなのに。

自分から言い出したことなのに。

それなのに、またさくが他の誰かのものになるのなんて考えられなくて。

俺以外の誰かにさくをとられるなんて、考えたくもなかった。

このまま俺と付き合って、俺のこと好きになればいいのに。

そう思ってた。

嘘で好きだって言わせたって仕方ない。

それなのに、文化祭の時に言ったさくの好きは本当に言われたみたいに感じるほど。