「じゃあさ!またみんなで遊ぼうよ!この前のメンバーでさ!」

フーちゃんが場の空気を払うように明るく言った。

「…ごめん、私、行けない…」

今度はミラちゃんが暗い声で言った。

「私、真ちゃんを振った。あの文化祭の日。」

そしてキッパリまっすぐ言う。

「今は真ちゃんとも気まずくて、優ちゃんともなんだかギクシャクしてるけど、私は優ちゃんが好きだから。」

ミラちゃん、かっこいいな。

まっすぐで、私なんていつまでたってもグズグズしてるからこんななんだ。


夕姫ちゃんたちと別れて通学路を一人で歩く。

「あっ…」

家の前にちょうど立っていたのは、今一番会いたくて、会いたくない人。

大和は私と一瞬あった目をふいとそらし、何事もなかったかのように家の中に入っていった。

バタン、と大和が扉を閉める音だけがなんだかやけにあたりに響いて。

もうこのまま、話せないのかな。

私、間違ってたのかな。

目頭が熱くなってくる。