「本当はどうなの?そのマグカップ」 「えっ?」 帰り道。愛月が聞いてきた。 「知り合いって、私が紹介したマスターのことでしょ?」 愛月には何でも話せる。 詩音は頬を赤らめながらうなずいた。 「事件のお礼をね……。あっ!でも、これ内緒だからね!」 「はいはい。リア充はエンジョイしてねー。」 「もうっ……愛月ってば……」 愛月とは商店街と住宅街の曲がり角で別れた。 詩音は商店街の方へ向かって歩く。