「……本当に憎んでるんですか?葵は、舞のこと……」  

「憎い。憎い。憎い。憎い。死んでしまえ。死んでしまえ。死んでしまえ。お前がいなければ、私は幸せになれるのに。お前が憎い。お前を殺したい」

狂ったように叶亜は言うと、顔をあげて詩音をみた。

そして、フッと笑う。

「君は知ってるか?友情ほどもろいものはない、と。大好き!私とあなたは親友!なんて戯れ言(ざれごと)言ってても、いつかはお互い憎しみ合う存在になる。人は一人で生きて一人で死ぬんだよ。友達や恋愛なんか、そのへんの石ころと同じだ」

そのへんの石ころ……。

たしかに、『人は一人で生きて、一人で死んでいく』という言葉は何度か聞いたことがある。