大学を出ると、詩音と叶亜は新しく造られた橋の上を歩いていた。
車が何台も行き交い、橋の下には綺麗な川が流れている。
この川は言い伝えで、彦星と織姫が初めて出逢った場所と言われてる。
だからこの橋の上で告白した男女は、永遠に幸せになれるとかなんとか。
まあ詩音には無縁の話であること間違いない。
今まで本気で人を好きになったことなんてないし、好きになったとしても恋に臆病な詩音は告白なんて出来るわけなく、片想いで終わらせてきた。
『青春』なんて程遠い言葉。
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