黒ひげを生やし、すこしこけた頬。

ピシッと着た黒スーツには猫の毛がたくさんついている。

ボサボサの髪がだらしなさを余計に引き立てており、腕の中にはなぜか三毛猫がいた。

その人物は間違いなく……。

「猫田教授……」

「……ん?なんだ。瀬織くんじゃないか。それと……」

猫田は詩音の隣の叶亜をみた。

叶亜がニコッといつもの紳士面で笑う。