「またまたぶっ細工な面(つら)でご飯を食べてるもんだなー。しかもうどん。女子大生の色気もない……」
そう嫌みたらしく、詩音の前に現れたのは車いす姿の叶亜。
「いいでしょ!うどん好きなんだから。第一、なんでこんなところにあなたがいるんですか!?」
詩音がうどんを食べながら聞いた。
叶亜は詩音より年上だろうし、大学にいるのは明らかにおかしい。
叶亜が詩音の向かいの席に座る。
「僕は顔が広いからな。現にこの大学の教授の猫探しにも付き合った」
「猫探し……。ということは、あの猫田教授の?」
「なんだ。知ってるのか」
知ってるも何も、この大学で猫田教授の事を知らない人はいないと思う。