商店街の近くの公園で、葵が待っていた。

「葵!ごめんね!待たせて……」

「ううん。平気。詩音の彼氏、なんて?」

「彼氏じゃないってば……。でもなんか、あっちで調べるから何も気にするなって」

テキトーな理由をつけて話す。

疑う様子もなく、葵は「よかった」と胸をなで下ろした。

そこで甦る、叶亜のあの言葉。

『憎しみの感情しかないよ。彼女には。』

叶亜は人の負の感情を感じとれるという不思議な能力を持っている。