「まあどちらにせよ、僕が彼女にしてあげられることは何もない。彼女にはテキトーな理由つけて何とでも言っといてくれ」

「……分かりました。じゃあ失礼します」

詩音が立ち上がり、喫茶店を出ていこうとすると、

「勘違いするなよ」

「えっ?」

振り返ると、叶亜が照れたようにそっぽを向いていた。

「あんな女、好みじゃないからな……」

「……フフっ」