叶亜が怪訝そうな顔をする。
「なんだ?何かあったのか?あの二人の間に……」
「……葵と舞には山崎光っていう幼馴染みがいるんです。二人は光くんの事が好きで、恋敵だったんです。そして、ある日、光くんが舞に告白して、二人は付き合いました。……それから、葵の舞に対しての態度がひどくなって……」
「見苦しい。実に見苦しい。女ってそういうのがあるから嫌いなんだよ。」
嫌そうに叶亜が腕をさする。
「まあ大分前の話ですし……。詳しくは知りません。」
詩音も愛月から聞いた話だ。
「まあとにかく。その舞という子の財布に10万円が入っていたのは偶然の可能性もある。決めつけるのはまだ早いよ」
表情変えずに言う叶亜。