「僕と詩音さんだけにしてもらえませんか?外で待っててください」
「……?分かったわ。」
葵が喫茶店から出ていく。
なんで二人きりにさせたのか。
「……私のときと随分対応が違うんだー。なに?好みなの?葵が。」
「なんだ?嫉妬か?女の嫉妬は見苦しい。やめろ」
叶亜が普段の口調に戻る。
「嫉妬じゃな……」
でも今の言い方だと本当に嫉妬って思われちゃう……。
詩音は顔が赤くなっていくのが分かった。
「……彼女は僕に何をしてほしいんだ?」
叶亜が唐突に言った。
「何って……」
「犯人が彼女の親友と分かってる。警察に言えば済むことだろ?僕に頼むことなんて1つもない。そして、彼女は親友を憎んでる」
「憎んでるだなんて!そんなことない!葵と舞はずっと一緒で……」
言いかけてやめる。